虎々なるままに日暮し

キャンプ2010 2/9

≪「ポスト赤星」藤川俊 二塁打&2盗塁≫
マートンより嫌。敵にそう思わせればしめたものだ。藤川俊が初実戦で能力の片鱗を見せた。屋外初のシート打撃。2番目で登場すると、金村暁の2球目直球をコンパクトに振り抜いた。追い風に乗った打球が中堅手柴田の頭上を越える。背番号7が堂々の二塁打デビューを果たした。
「うまくバットを振り抜けた。軌道も良かったし、練習してきた感じで打てた」。第2打席ではメッセンジャーの球威に詰まらされ遊ゴロ併殺も、2打席6球のうち、ストライクゾーンの5球すべてにバットを出した。「大学時代も初球からどんどんいった」という積極性をプロ初実戦でも貫いた。
「練習でバットが遠回りするからどうかなと思っていたけど、ゲームになるとスイングが変わる。実戦向きだね」。俊足の新戦力に打撃のメドが立てば…和田打撃コーチは“嬉しい誤算”に目を細める。片岡打撃コーチも「実戦向き。おもろいかもしれん。化けるかもしれん」と逸材出現を喜んだ。
「足を使った打順に定着したい」とは入団会見で藤川俊が語った決意だ。慎重になりがちな初実戦の走塁も、全く遠慮はなかった。大和の打席。一塁走者として初球に好スタートを切ってチーム初盗塁。メッセンジャー対上本の場面でも初球に二盗を成功させた。
牽制のない状況とはいえ、魅力十分の走力をアピール。「走ることをしたかったので、いいアピールになった。今日は投手がクイックをやってなかったので、まだまだ満足せずやっていきたい」。
藤川は塁間を3・3秒で走った。3・2秒で駆けた赤星は別格としても、山脇コーチは「(雨で)下が悪い中で速いよ。チームでは狩野に次ぐタイム」と触れ込み通りの速さに頷いた。「想定しているレギュラーの中に足のある選手がいない。タイプ的に貴重。チームに動きが出てくる」。巨人村田スコアラーは暗に“マートンより嫌”だと言った。「野手で注目しているのは藤川。守備、肩、足は1軍レベル。うちでいう英智みたいな感じかな」。中日佐藤スコアラーも新外国人以上に俊足新人に警戒を強めた。
埋めるべきは赤星の穴。「センター?これから守ることもあるよ」と山脇コーチ。現構想では中堅の本命はマートン。右翼は桜井。だが、走力、守備力のある藤川俊が想定以上の打力を誇示できれば、外野戦争は面白くなる。

≪二神、さすがドラ1!実戦で144キロ≫
全身に漂う初々しさ。しかしその球筋には、エースナンバーにふさわしい独特の凄みがあった。プロで初めて踏み締めた実戦形式でのマウンド。期待のルーキーが、鮮烈な快投を見せた。
「実戦に近い形だったので、思い切って投げようと思った。腕を振って投げれたと思います」
緊張を力に変える強心臓。先頭の浅井を切れ味鋭い直球で攻め立ててカウント2-2まで追い込むと、最後は外角スライダーで空振り三振に捩じ伏せた。
さらに関本、狩野と続いた主力との対戦にも、臆することなく直球を連投する。そして林には再びカウント2-2からスライダー一閃。鋭く斜めに弧を描く球筋に、林のバットが大きく空を切った。鳥谷に右前打を浴びたところで登板を終了したが、許した安打はこの1本のみ。全18球。背番号と同じ数の球数で、鮮烈なデモを終えた。
「直球を狙ってもファウルになった」と浅井。前夜に食事をともにした法大の先輩も驚きの表情を浮かべた。「低いと思った球が伸びて来た」と林。この日は最速144キロを計測したが、体感球速はそれ以上。鳥谷も「マウンドとの距離が近く感じた。球離れが遅いのかな」と右腕との対戦を振り返った。
他球団スコアラーも高評価。中日・佐藤スコアラーが「真っすぐでしっかり腕が振れるから空振りが取れる」と警戒を強めると、巨人・村田善スコアラーも「球が低めに集まっていた。即戦力として十分な素質」と今季の対戦を視野に入れた。
「こういうゲーム(形式)の中でどたばたせず、しっかりと投げられていた」と強心臓を評価した久保投手コーチは、右腕を13日の日本ハムとの練習試合で登板させる方針を明言した。
「疲れを感じる場面もあるけど、調整が進むにつれて気持ちも入ります」
はにかんだ表情を引き締めながら、次のステップを見据えた。待ちわびた実戦マウンド。高ぶる気持ちのままに、右腕をただ振り下ろす。

≪剛腕メッセンジャー、ドシン147キロ≫
メッセンジャーが、シート打撃に初登板。6人の打者に対し1安打1三振2併殺打と上々の結果を出した。
身長198cm、体重119キロの巨体から繰り出された直球の最速は147キロ。ほとんどの球を低めに集め「ドシン!」という捕手のミット音がグラウンドに響き渡った。
その直球で先頭の野原将を二ゴロ、続く清水を空振り三振。さらに走者を一塁に置いて藤川俊、桜井を遊ゴロ、二ゴロの連続併殺に仕留めた。
持ち球は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ。上本にはチェンジアップで空振りを奪い、直球、カットボールと続けて三ゴロに。マートンに甘く入った直球を右前打されたが、実戦初登板としては合格点だ。
「真っすぐが強みの一つ」とメッセンジャー。低めへの制球力も見せたが「日本のバッターは体が小さいからストライクゾーンが狭い。アジャストしていかないとね」とさらに磨きをかける。
中日・佐藤スコアラーは「まとまっていたね。本人はまだまだだと思っているのでは」とさらなる“上積み”を警戒。巨人・村田善スコアラーは「真っすぐに力があるし、変化球も低めに集まっていた」と話した。
セットポジション時に“グラブが静止しない”というボークも心配されたが、しっかり修正。久保投手コーチは「低めに集めていてよかった。この時期に投げられるのはいいこと」と評価した。
仕上がりは「88~90%」と微妙に細かい数字で示した新助っ投。ポスト・アッチソンとして期待を抱かせるには、十分のマウンドさばきだった。

≪城島 思わず出ちゃった“虎1号”≫
城島が、屋外フリー打撃で初のサク越えを放った。
16スイング目、思い切って引っ張った打球は左翼ポールを巻いてスタンドへと飛び込んだ。第2クール最終日に飛び出した“虎1号”。「センター中心を狙ったんだけどね。バットのヘッドが返ってしまった」と苦笑いを浮かべるが、ティー打撃ではスイングの力強さが増してきている。
打席もホームベース寄りで投手寄りの“前の前”に立ち、外寄りの球でも強引に引っ張るシーンもあった。「自分は外角を右方向にホームランすることはできない。内角に来ないとメシが食えないから」と持論を展開したジョー。ただ死球と隣り合わせで、故障の危険性は否めない。
それでもこの日、取材で訪れていた衣笠祥雄氏(広島OB)から「当たらないコツを教えてもらった」。具体的な内容は明かさなかったが、対策も練っている。2215試合連続出場の日本記録を持つ元祖・鉄人の教えは、城島が目指すフルイニング出場の糧となるのは間違いない。
フリー打撃後はサブグラウンドに移動し、下半身強化のため三塁の守備位置で特守を受けた。休憩なしで99球を受けると、その場に倒れ込んだ。息もできないほど、自身を追い込んだ城島。初スライディングも披露し、順調に第2クールを乗り切った。

≪藤原 鳥谷に走られた~走者対策に課題≫
藤原も、シート打撃に初登板。打者6人に対し、2安打、4飛球の内容だった。
「平野さんには簡単に外野フライを打たれ、柴田さんにもアウトコースから内に入った球をヒットにされた。そこのところをもっと詰めていきたい」と話したが、それ以上に課題を残したのが、実戦での走者対策だ。
わずかなスキを、鳥谷が見逃すはずがなかった。一塁走者を背負った場面。モーションに入ったときには、すでにスタートを切られ、二盗を決められた。藤原は「アッと言う感じで、どうしようもできなかった。もっと勉強しないと」とプロの洗礼を浴びた形だ。
それでも、故障もなく第2クールを乗り切ったのは収穫。「城島さんに受けてもらった翌日に実戦登板できたのは良かった」。ひとつひとつ、壁を乗り越えていく。

≪マートン初安打も守備でお粗末…≫
マートンが初実戦となるシート打撃で来日初安打を放った。最初の打席で遊ゴロに倒れたマートンが第2打席でメッセンジャーの初球、高め直球を右前へ運んだ。
「今日は投手の球筋を見られたことが収穫。もっと自分のスイングをレベルアップしていきたい。基本的には、センターから右方向へ打つのが自分のスタイル。慣れれば引っ張ることもできるけどね」
第1クールにフリー打撃でバックスクリーン左へ150M弾を放ち、広角ヒッターの印象を覆したが、やはり実戦では本来のスタイルで初安打を記録。
守備では、林の浅い中飛で、二塁走者鳥谷にタッチアップで三進を許すお粗末プレー。メジャーで守備機会のなかった中堅での初実戦となったが、不安も露呈した。

≪岩田 仕上がり上々の35球≫
これで真弓監督の開幕投手のチョイスが一層、難しくなった。岩田が、今キャンプで初めて打者を相手にする打撃投手を務め、上々“すぎる”仕上がりをアピールした。
林に17球、野原将に18球。もちろん今の時期ならではの散らばりはあるにせよ、それぞれヒット性の当たりが3本と2本。打者も実際に投手と対戦する機会がこれまで少なかったことを差し引いても「真っすぐだけ」をまともに打ち返すこともできない結果が、岩田の状態を物語っている。
「林さんのところで投げた感じを続けないと」と全球、満足とまではいかない。が、「上から叩くように腕を出すこと」という現在のテーマも徐々に固まりつつある。安藤、能見らと争う開幕投手の座。このまま順調なら岩田が指名されて、首を傾げる者はいないはずだ。

≪能見 緩急つけてシート打撃で48球≫
能見が、今キャンプ初めてフリー打撃に登板し、直球オンリーで48球を投じた。
順調な調整を続けてきた開幕投手候補には、確かな風格が備わっていた。結果を追い求めるのではなく、自分の試したいこと、確認したいことを意識して投じた48球。「打者との感覚を意識して投げた。真っすぐだけだったんですけど、フォームの緩急をつけて投げた」と意識的に足を上げてからの“間”を変えるなど、工夫をこらした。
藤川俊、大和に投じたキレのいい直球は、昨季終盤に白星を積み重ねた当時と何ら遜色はない。山口投手コーチは「目的意識を持って投げていた」と評価し、巨人・村田善スコアラーも「順調に来てるんじゃないでしょうか」と語った。昨季のチーム勝ち頭は、順調に階段を上がっている。

≪安藤 チェンジアップ封印49球≫
3年連続の開幕投手を狙う安藤が、フリー打撃に初登板した。前日から試していた新球のチェンジアップは封印し、すべてストレートで勝負。平野に24球、鳥谷に25球を投げた。
変化球を試さなかったことについては「(打撃投手防護用)L字形のケージがあると(変化球を投げるとき腕が)引っかかる感じがするので」と説明。時折、球が抜け気味になることもあったが「状態を確認しながら、体重移動を意識した」と調整に重点を置いた。
登板前にはブルペンで、久保投手コーチから「体の左サイドを使って投げろ」と、投球に入る際の体重の掛け方についてアドバイスを受けながら、51球を投げ込んだ。第2クール終了時点までは、あくまで順調。開幕本命の右腕に、抜かりはない。

≪小宮山“G・Gトレ”で急成長≫
小宮山が、平田2軍監督から第1、2クールの優秀選手に指名された。「皆、状態はいいけど、特に小宮山の動きがすごくいい」。オフは“G・Gトレ”でレベルアップを図るなど、走攻守に成長の跡を見せた。
プロ7年目の24歳。オフは西武のG・G・佐藤と専属契約を結ぶトレーナーと契約し、神奈川県内のジムで瞬発系のトレーニングに力を入れた。野原祐が独立リーグ在籍時に、50m走が6秒2から5秒9まで縮めるなど効果は絶大で、平田監督も「足が速くなったよな」と、成長に太鼓判を押した。
この日のシートノックでも安定した送球や牽制を見せ、課題の打撃でも飛距離はアップしている。岡崎と共に1軍推薦の筆頭候補で、担当の嶋田2軍バッテリーコーチは、成長を認めつつ「(城島の)カベは大きくても、それを破らなければいけない」とゲキを飛ばした。
城島を筆頭に矢野、狩野、清水…。捕手は1つしかないポジションを、8人で争う激戦区だ。「まだまだですけど『オフの間にこれだけやったんだ!』という気持ちがある」と小宮山。可能性がゼロではない限り、歩みを止めることはない。

≪矢野、フォッサムの魔球体験≫
矢野は9日、ブルペンで新外国人のフォッサムの球を受けた。「(カーブが)いいよ。遅いやつと、腕を振ったやつと幅広く使えるんちゃうかな」。球速64キロから128キロまで変化するという“魔球”を絶賛した。「貴重な左腕。(先発と中継ぎの)どっちでもいけるやろ」。その経験から活躍を保証した。

≪金本魅せたァ!スライディング≫
城島がフルイニングのお手本とする金本も元気だ。9日、今年初のスライディングを披露した。アップ後のベースランニングに志願参加すると、一塁から三塁まで走って、左足から滑り込み。その後、サブグラウンドで全力疾走を行った。「元気すぎて、肉離れにならないか心配だよ。彼も満足している。(右内転筋は)よくなっていないと、あそこまで走れない」と石原チーフトレーナー補佐も太鼓判だ。

⇒虎の正捕手は、矢野様がいるんですが。去年頑張った狩野も控えてるんですが。清水らも頑張ってるんですが。すごくいい捕手だということは分かるのですが、城島が新正妻とか言われまくりなことに、ちょっと抵抗を感じざるを得ない…



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by kuru2chanbei | 2010-02-09 20:45 | 虎球団

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