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キャンプ2010 2/23
「阪神紅白戦、白組3-1紅組」(23日、安芸)
<紅組>
1(左)浅井
2(中)田上
3(二)関本
4(一)ブラゼル
5(右)林
6(指)水田
7(三)野原将
8(捕)狩野
9(中)上本
[登板予定]
能見、久保、メッセンジャー
<白組>
1(中)マートン
2(二)平野
3(遊)鳥谷
4(指)新井
5(右)桜井
6(一)葛城
7(左)藤川俊
8(捕)小宮山
9(三)大和
[登板予定]
安藤、福原、江草、筒井
≪マートン“1番センター試験”合格!≫
飛球が、センターのほぼ定位置に飛んできた。少しだけ下がり、加速をつけて、落下点へ。三塁走者・林との勝負。マートンから放たれた返球は、低い軌道のまま、すーっと伸びる。2バウンドで、ドンぴしゃのストライク。刺した。
スタンドが一斉に沸き上がる。「センター、頼んだぞ」。2回1死三塁。ポスト赤星と言われながら、不安が先行してきたマートンの守備。そんな“低評価”を覆す、スムーズな動きだった。
メジャーでは、センターを守ったのは、わずか1試合のみ。ぎこちない捕球動作に加え、送球もなかなか上向いてこなかったが、山脇守備走塁コーチは「守備は心配してない。元々悪くないよ」と言った。初補殺が、周囲の心配を和らげた。
「今日に関してはある程度、良かったと思う」。マートンもある程度の手応えを感じながら、一方で二回、林に右中間を破られた打球には「ただ、ポジションが良ければ捕れていた打球もあるので、色々コーチと相談しながら慣れていきたいと思うよ」と反省もした。
輝きは、守備だけではなかった。バットでは、より大きな可能性を示した。
5回だ。1死三塁。久保の高めの直球をコンパクトに叩き、前進守備の一、二塁間を破る来日初タイムリー。この日の3安打目は、日本野球への適応の高さを感じさせる一撃になった。
初回に能見から放った中前への二塁打も、昨年のチーム勝ち頭左腕の直球を、完璧にとらえたもの。3回の三遊間を破る左前打、最終回の遊ゴロも当たりは悪くなく、打撃は急上昇を告げている。
「ああいうタイプのバッターじゃないかと思うよ」と真弓監督も、その広角打法を評価する。初めて見せた好守と合わせ「そのつもりでいるよ」と、シーズンでの1番中堅での起用を初めて“明言”した。
5回の適時打後の走者では、捕手・狩野がボールをこぼす間に、好判断で二塁を陥れた。って、こぼすなよ、狩野!!徐々に日本の野球に慣れてきたことで、走攻守に非凡な才能が出始めている。
「打席に立つ感覚が良くなってきた。これから投手も調子が良くなるし、負けないようにしたいね」。マートンの表情にも、少しずつ余裕が生まれ始めた。
また、田淵OB会長と視察に当たった星野SDからも「3本出たということでホッとしたんじゃない。大きなもの(本塁打量産)は期待されていないから。野手の間を抜くようなバッティングならやれる。広角にいけばいい率が残ると思う」と太鼓判。
じっくりとボールを見極めようとしている姿についても言及。「日本のピッチャーの傾向をしっかりと見てるんじゃないかな」と良い傾向としてとらえている。
また、投手陣の調整ぶりもチェック。白組の先発を務めた安藤に関しては「絞り込んでるね」と約8キロ減量した体つきにも注目した。
昨年13勝を挙げた能見については「2桁勝ったから自信がわいてきたかも。今年が勝負。15勝てば来年、再来年もいいんじゃないかな」とさらなる飛躍に期待した。
≪安藤3回0封!チェンジアップええで!≫
地道に続けた練習の成果は、初実戦のマウンドで存分に披露された。登板後に見せた充実の笑顔は、3回無失点の結果だけによるものではない。39球を投じた右腕には、確かな手応えが残る。新たに携えた武器-チェンジアップの精度に、大きく自信が深まった。
「新しいボールを何球か投げて、手応えもあったのが収穫。チェンジアップを試して、自分の中で使っていけるのかなと思います」
初回から3三振を奪った初の実戦マウンドは、狙い通りの「チェンジアップ締め」だ。3回2死無走者から迎えた浅井に、1-1からチェンジアップを投じると、完全にタイミングを外して投ゴロに仕留めた。「ああやってタイミングを外せれば」。そこまでにも何球かチェンジアップを投じていたが、会心のフィニッシュで降板した。
上々のスタートを切った新球の仕上がり。ただ、まだ完全なものではない。「(握りが)何種類かある。今日は1種類だけど、自分の中で試していきたい。2、3年温めてきたものだし」。数年前から習得を視野に入れてきた中、試行錯誤の途中でも威力は十分だ。
開幕カードで対戦する横浜・酒井スコアラーも「チェンジアップもいくつか投げていた。うちは去年もやられているし、力強いピッチングに加えて器用なところも出てきたらね…」と分析。岩田がケガで離脱していることもあり、安藤は、開幕投手の有力候補。横浜007の警戒を強めるのも当然の投球だった。
真弓監督は、開幕投手について「もうちょっとしてから、開幕のピッチャーを決めないとね。(調整の)合わせ方もあるんで、もうちょっとしてからゆっくり」と話した。開幕投手有力候補だった岩田が左肘痛で離脱し、現状では実戦復帰のメドが立っていない。山口投手コーチは「まだ時期的にも間に合う可能性があるから」と開幕候補の1人として残しながらも「(安藤、能見の)2人でこれから競争してもらいたい。ただ能見が色気ないから困ってるんやけどな」と明かした。2カード目、4カード目に対戦する広島、巨人を能見が得意にしていることもあり、3年連続を目指す安藤が最も近い位置にいる。まだ決定していないが、安藤の存在は指揮官にとって頼もしく映る。
「(開幕は)まだ分からないけど、そこを目指してやっているつもり。(目標は)優勝しかない」と安藤。オフの約8キロの減量に加え、新球でも示した進化の跡。3年連続開幕投手に向け、最高のスタートを切った。
≪能見ええで“変幻投法”で進化見せた≫
能見が紅白戦に先発し、3回を3安打4三振無失点の好投をみせた。左打者対策として、腕の位置を下げた投球を随所に織り交ぜるなど、ブレークした昨季よりも「進化」した姿を、今季初実戦で見せ付けた。
少しも動じない。先頭のマートンにいきなり中堅に二塁打を打たれたが、続く平野、鳥谷を変化球で連続空振り三振。新井も中飛に打ち取りホームを踏ませない。3回も連打で2死一、三塁のピンチを迎えたが、鳥谷をフォークで見逃し三振に仕留めて無失点だ。堂々とした立ち居振る舞い。確かな「自信」が見て取れた。
「フォアボールがなかったんでね」。能見は初登板をサラリとこう振り返った。結果を求める時期じゃない。ただ投球内容には、一定以上の満足感がある。
鳥谷、平野ら左打者を中心に、通常よりも腕の位置を下げた“変幻投法”を計11球交えた。昨季は主に右打者に使って投球にアクセントを付けたが、今年は左打者相手にも増やすつもりだ。「(腕の位置を変えて)ファウルを打たせられれば。色々考えて自分が有利になるようにやっている」。昨季の被打率は右打者の・224に対して、左打者は・250。左打者対策の一端が垣間見えた全51球でもある。
投球ごとに足の上げ方や投球テンポにも「緩急」を付けた。昨季以上の成績を残すための準備に抜かりはない。開幕に向けて、背番号14は着実に階段を上っている。
≪最速149キロ!27日も行きメッセ≫
メッセンジャーが紅白戦に登板し、1回を1安打1三振無失点に抑えた。自慢の剛球は13日の練習試合・日本ハム戦(名護)の最速151キロには及ばずも、149キロを計時。異例のハイペース調整を進める助っ人右腕は、27日のオープン戦開幕戦・オリックス戦(安芸)の登板も内定した。
背中の張りで21日の紅白戦登板を回避したが、もう不安はない。鳥谷に甘く入った速球を中前打された以外は、低めに変化球も集めて危なげなし。「(背中も)問題ない。自分としては良かったよ」。練習試合・日本ハム戦ではボールが高く入って1回1失点。その反省を生かして制球力のレベルを一段上げてきた。
巨漢右腕には昨季限りで退団したセットアッパー・アッチソンの穴を埋める期待がかかる。「力があったしコントロールも良かった。少しずつ状態が上がっている段階じゃないかな」とは真弓監督だ。力量把握を優先し、オープン戦ではセ球団相手にもどんどん投げさせる方針。リリーフ陣構想の要諦であるメッセンジャーに、注ぐ視線は誰よりも熱い。
「今後もこの調子でいければいい。このまま適応できればいい」。オープン戦初戦でも剛球をしっかりと低めに集めて、首脳陣の信頼を深めてみせる。
≪狩野好調!!リベンジ弾で実戦2発目≫
狩野が、実戦2発目のアーチ。紅組「8番・捕手」で先発マスクを被り、六回先頭で江草から右中間へ放り込んだ。
ツーシームを狙い打ち、逆風を切り裂いた。宜野座キャンプ中の打撃練習で江草と対戦した際「ツーシームを投げられてショートゴロばかり打ってしまった」という。そのため「勝負どころでツーシームが来るかなと思って狙っていました」と配球を読んだ上での“リベンジ”アーチだ。
「フルスイングできたことが良かったです。逆風だったので、入るとは思いませんでした」
13日の練習試合・日本ハム戦でも一発を放った。与えられたチャンスでしっかりと結果を出している。絶対的正捕手として城島が加入しても、狩野の成長の勢いが止まることはない。
≪福原、キラリと光る2回ノーヒッ投≫
福原は23日の白組の2番手で2回を無安打無失点。ブラゼルから三振を奪うなど好投した。「ぼちぼちですね」。短い言葉にも晴れやかな表情を覗かせた。ルーキーの二神や新助っ投・フォッサムらの加入で先発ローテ争いは加熱する一方。その中でキラリと光る存在感を見せつけた。
≪久保、3回6安打3失点もサバサバ≫
紅組の2番手で四回から登板した久保は、3回を6安打3失点ながらサバサバした表情。「ボールも体のできも調子はよかったです。逃げる球系は全て投げました」。四回は外角いっぱいの直球で桜井を見逃し三振に仕留めるなど制球力も披露。五回2失点、六回1失点も相手が味方だったため内角を封印。初の実戦マウンドに収穫はあったようだ。
≪林、右翼定位置獲りへ実戦で好調維持≫
紅組の「5番・右翼」で出場した林が、3打数2安打で好調をキープ。
「コーチに言われている通りにやってよくなっているから、継続して自分のものにしたい。アピールしていくだけです」。二回に安藤から右中間二塁打を放つと、七回にも筒井から中堅左へクリーンヒット。「特に左投手から打ててよかった」と笑顔を見せた。実戦4試合で14打数8安打と大爆発。右翼の定位置獲りへ、ともに無安打の桜井、浅井の前で猛アピールした。
≪藤川俊が存在感!日々成長3の1≫
藤川が白組の「7番・左翼」で先発出場し、六回無死二塁で迎えた第3打席に久保から中前適時打。送りバントのサインにファウル後、バスターを決めた。「バントを失敗していたし、転がさないとと思った」。3打数1安打。試合後には、サブグランドで福本豊氏(野球評論家)から熱血指導されるシーンもあった。「盗塁のことをアドバイス頂きました」。日々成長している。
≪平野、開幕2番へ攻守にキラリ!≫
平野が攻守にキラリ。白組の「2番・二塁」で出場し、三回二死一塁のシーンで右前打。ランエンドヒットを成功させた。「一、三塁という場面を作っていくというのが今年のテーマ。(守備時も)逆に作らせないようにもしなければ、いけないからね」。二回無死二塁の守備でも中堅に抜けそうな当たりを逆シングルでキャッチ。開幕2番は濃厚でマートンとともに、チャンスメークする。
≪江草、狩野に被弾も後続ピシャリ!≫
白組の3番手で五回に登板した阪神・江草は、先頭の狩野に被弾したが、後続をピシャリ。
「真っすぐは思った通りいいボールを投げられたし、順調です。投げるからにはゼロに抑えたい。打たれたことは反省として明日につなげたい」と納得の表情。持ち味のテンポの早い投球を披露。浅井、田上からは連続三振を奪った。二死無走者からはセットポジションで首の動きも使い、走者を意識した投球も試した。
≪小宮山、生き残りへ攻守で存在感≫
2軍から昇格した小宮山が23日の紅白戦、攻守で存在感を示した。白組先発の安藤を3回無失点と好リードすると、五回には二盗を阻止。五回先頭の第2打席でも久保のカットボールをとらえ、右翼線二塁打を放った。
「踏み込んで、思いきり打ちました。いいところに飛びました。盗塁を刺した?(二塁)平野さんのカバーがよかったです」。現在、捕手は異例の5人体制。何としても1軍に残りたい。
≪育成D2田上、連続ミスに反省…≫
田上は紅組の「2番・中堅」に起用されたが、持ち味の守備と走塁で連続ミス。「悪いところが全部でてしまった。ノックでは練習できない打球が感じられて、勉強になりました」と反省した。
一回の守りでマートンの中前へのライナーの捕球判断を迷って後逸。六回無死二塁では藤川俊の中前打をファンブルして、強肩を見せることができなかった。特別ルールで代走出場の七回には牽制死。「プロは違います。注意してしっかりやりたい」と気を引き締めた。
≪新井、2試合連続安打で好調アピール≫
新井が白組の『4番・DH』で2試合目の紅白戦出場。四回無死。久保にカウント2-0と追い込まれながら、外角速球をきれいにとらえて鋭いライナーで中前打した。昨季の後半から取り組んでいる、下半身を落とした新打法。20日の紅白戦に続き、2試合連続安打で順調をアピールした。
≪ブラゼル、本番さながらヒートアップ≫
白組の『4番・一塁』で出場した阪神・ブラゼルは、2打数無安打の2三振。一回二死二塁で、カウント2-1から安藤の外角球に見逃し三振に倒れると、打席からバットを三塁ベンチ内へポーン。本番さながらに“ヒートアップ”した。猛打賞のマートンとは対照的な結果となったが、それでもフリー打撃では快音を連発して状態は問題なしだ。
≪オレを忘れるな!岩田が気合の丸刈り≫
岩田が23日、髪を短く刈って球場に現れた。前日までは後ろ髪が跳ねるほど長かったが、この日はほぼ丸刈り。隣接するグラウンドなどで、60mのキャッチボールにダッシュ、ノックなどを受け汗を流した。順調なら休日明けの25日にもブルペン入りする予定だ。
⇒狩野、しっかりしろよー
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<紅組>
1(左)浅井
2(中)田上
3(二)関本
4(一)ブラゼル
5(右)林
6(指)水田
7(三)野原将
8(捕)狩野
9(中)上本
[登板予定]
能見、久保、メッセンジャー
<白組>
1(中)マートン
2(二)平野
3(遊)鳥谷
4(指)新井
5(右)桜井
6(一)葛城
7(左)藤川俊
8(捕)小宮山
9(三)大和
[登板予定]
安藤、福原、江草、筒井
≪マートン“1番センター試験”合格!≫
飛球が、センターのほぼ定位置に飛んできた。少しだけ下がり、加速をつけて、落下点へ。三塁走者・林との勝負。マートンから放たれた返球は、低い軌道のまま、すーっと伸びる。2バウンドで、ドンぴしゃのストライク。刺した。
スタンドが一斉に沸き上がる。「センター、頼んだぞ」。2回1死三塁。ポスト赤星と言われながら、不安が先行してきたマートンの守備。そんな“低評価”を覆す、スムーズな動きだった。
メジャーでは、センターを守ったのは、わずか1試合のみ。ぎこちない捕球動作に加え、送球もなかなか上向いてこなかったが、山脇守備走塁コーチは「守備は心配してない。元々悪くないよ」と言った。初補殺が、周囲の心配を和らげた。
「今日に関してはある程度、良かったと思う」。マートンもある程度の手応えを感じながら、一方で二回、林に右中間を破られた打球には「ただ、ポジションが良ければ捕れていた打球もあるので、色々コーチと相談しながら慣れていきたいと思うよ」と反省もした。
輝きは、守備だけではなかった。バットでは、より大きな可能性を示した。
5回だ。1死三塁。久保の高めの直球をコンパクトに叩き、前進守備の一、二塁間を破る来日初タイムリー。この日の3安打目は、日本野球への適応の高さを感じさせる一撃になった。
初回に能見から放った中前への二塁打も、昨年のチーム勝ち頭左腕の直球を、完璧にとらえたもの。3回の三遊間を破る左前打、最終回の遊ゴロも当たりは悪くなく、打撃は急上昇を告げている。
「ああいうタイプのバッターじゃないかと思うよ」と真弓監督も、その広角打法を評価する。初めて見せた好守と合わせ「そのつもりでいるよ」と、シーズンでの1番中堅での起用を初めて“明言”した。
5回の適時打後の走者では、捕手・狩野がボールをこぼす間に、好判断で二塁を陥れた。って、こぼすなよ、狩野!!徐々に日本の野球に慣れてきたことで、走攻守に非凡な才能が出始めている。
「打席に立つ感覚が良くなってきた。これから投手も調子が良くなるし、負けないようにしたいね」。マートンの表情にも、少しずつ余裕が生まれ始めた。
また、田淵OB会長と視察に当たった星野SDからも「3本出たということでホッとしたんじゃない。大きなもの(本塁打量産)は期待されていないから。野手の間を抜くようなバッティングならやれる。広角にいけばいい率が残ると思う」と太鼓判。
じっくりとボールを見極めようとしている姿についても言及。「日本のピッチャーの傾向をしっかりと見てるんじゃないかな」と良い傾向としてとらえている。
また、投手陣の調整ぶりもチェック。白組の先発を務めた安藤に関しては「絞り込んでるね」と約8キロ減量した体つきにも注目した。
昨年13勝を挙げた能見については「2桁勝ったから自信がわいてきたかも。今年が勝負。15勝てば来年、再来年もいいんじゃないかな」とさらなる飛躍に期待した。
≪安藤3回0封!チェンジアップええで!≫
地道に続けた練習の成果は、初実戦のマウンドで存分に披露された。登板後に見せた充実の笑顔は、3回無失点の結果だけによるものではない。39球を投じた右腕には、確かな手応えが残る。新たに携えた武器-チェンジアップの精度に、大きく自信が深まった。
「新しいボールを何球か投げて、手応えもあったのが収穫。チェンジアップを試して、自分の中で使っていけるのかなと思います」
初回から3三振を奪った初の実戦マウンドは、狙い通りの「チェンジアップ締め」だ。3回2死無走者から迎えた浅井に、1-1からチェンジアップを投じると、完全にタイミングを外して投ゴロに仕留めた。「ああやってタイミングを外せれば」。そこまでにも何球かチェンジアップを投じていたが、会心のフィニッシュで降板した。
上々のスタートを切った新球の仕上がり。ただ、まだ完全なものではない。「(握りが)何種類かある。今日は1種類だけど、自分の中で試していきたい。2、3年温めてきたものだし」。数年前から習得を視野に入れてきた中、試行錯誤の途中でも威力は十分だ。
開幕カードで対戦する横浜・酒井スコアラーも「チェンジアップもいくつか投げていた。うちは去年もやられているし、力強いピッチングに加えて器用なところも出てきたらね…」と分析。岩田がケガで離脱していることもあり、安藤は、開幕投手の有力候補。横浜007の警戒を強めるのも当然の投球だった。
真弓監督は、開幕投手について「もうちょっとしてから、開幕のピッチャーを決めないとね。(調整の)合わせ方もあるんで、もうちょっとしてからゆっくり」と話した。開幕投手有力候補だった岩田が左肘痛で離脱し、現状では実戦復帰のメドが立っていない。山口投手コーチは「まだ時期的にも間に合う可能性があるから」と開幕候補の1人として残しながらも「(安藤、能見の)2人でこれから競争してもらいたい。ただ能見が色気ないから困ってるんやけどな」と明かした。2カード目、4カード目に対戦する広島、巨人を能見が得意にしていることもあり、3年連続を目指す安藤が最も近い位置にいる。まだ決定していないが、安藤の存在は指揮官にとって頼もしく映る。
「(開幕は)まだ分からないけど、そこを目指してやっているつもり。(目標は)優勝しかない」と安藤。オフの約8キロの減量に加え、新球でも示した進化の跡。3年連続開幕投手に向け、最高のスタートを切った。
≪能見ええで“変幻投法”で進化見せた≫
能見が紅白戦に先発し、3回を3安打4三振無失点の好投をみせた。左打者対策として、腕の位置を下げた投球を随所に織り交ぜるなど、ブレークした昨季よりも「進化」した姿を、今季初実戦で見せ付けた。
少しも動じない。先頭のマートンにいきなり中堅に二塁打を打たれたが、続く平野、鳥谷を変化球で連続空振り三振。新井も中飛に打ち取りホームを踏ませない。3回も連打で2死一、三塁のピンチを迎えたが、鳥谷をフォークで見逃し三振に仕留めて無失点だ。堂々とした立ち居振る舞い。確かな「自信」が見て取れた。
「フォアボールがなかったんでね」。能見は初登板をサラリとこう振り返った。結果を求める時期じゃない。ただ投球内容には、一定以上の満足感がある。
鳥谷、平野ら左打者を中心に、通常よりも腕の位置を下げた“変幻投法”を計11球交えた。昨季は主に右打者に使って投球にアクセントを付けたが、今年は左打者相手にも増やすつもりだ。「(腕の位置を変えて)ファウルを打たせられれば。色々考えて自分が有利になるようにやっている」。昨季の被打率は右打者の・224に対して、左打者は・250。左打者対策の一端が垣間見えた全51球でもある。
投球ごとに足の上げ方や投球テンポにも「緩急」を付けた。昨季以上の成績を残すための準備に抜かりはない。開幕に向けて、背番号14は着実に階段を上っている。
≪最速149キロ!27日も行きメッセ≫
メッセンジャーが紅白戦に登板し、1回を1安打1三振無失点に抑えた。自慢の剛球は13日の練習試合・日本ハム戦(名護)の最速151キロには及ばずも、149キロを計時。異例のハイペース調整を進める助っ人右腕は、27日のオープン戦開幕戦・オリックス戦(安芸)の登板も内定した。
背中の張りで21日の紅白戦登板を回避したが、もう不安はない。鳥谷に甘く入った速球を中前打された以外は、低めに変化球も集めて危なげなし。「(背中も)問題ない。自分としては良かったよ」。練習試合・日本ハム戦ではボールが高く入って1回1失点。その反省を生かして制球力のレベルを一段上げてきた。
巨漢右腕には昨季限りで退団したセットアッパー・アッチソンの穴を埋める期待がかかる。「力があったしコントロールも良かった。少しずつ状態が上がっている段階じゃないかな」とは真弓監督だ。力量把握を優先し、オープン戦ではセ球団相手にもどんどん投げさせる方針。リリーフ陣構想の要諦であるメッセンジャーに、注ぐ視線は誰よりも熱い。
「今後もこの調子でいければいい。このまま適応できればいい」。オープン戦初戦でも剛球をしっかりと低めに集めて、首脳陣の信頼を深めてみせる。
≪狩野好調!!リベンジ弾で実戦2発目≫
狩野が、実戦2発目のアーチ。紅組「8番・捕手」で先発マスクを被り、六回先頭で江草から右中間へ放り込んだ。
ツーシームを狙い打ち、逆風を切り裂いた。宜野座キャンプ中の打撃練習で江草と対戦した際「ツーシームを投げられてショートゴロばかり打ってしまった」という。そのため「勝負どころでツーシームが来るかなと思って狙っていました」と配球を読んだ上での“リベンジ”アーチだ。
「フルスイングできたことが良かったです。逆風だったので、入るとは思いませんでした」
13日の練習試合・日本ハム戦でも一発を放った。与えられたチャンスでしっかりと結果を出している。絶対的正捕手として城島が加入しても、狩野の成長の勢いが止まることはない。
≪福原、キラリと光る2回ノーヒッ投≫
福原は23日の白組の2番手で2回を無安打無失点。ブラゼルから三振を奪うなど好投した。「ぼちぼちですね」。短い言葉にも晴れやかな表情を覗かせた。ルーキーの二神や新助っ投・フォッサムらの加入で先発ローテ争いは加熱する一方。その中でキラリと光る存在感を見せつけた。
≪久保、3回6安打3失点もサバサバ≫
紅組の2番手で四回から登板した久保は、3回を6安打3失点ながらサバサバした表情。「ボールも体のできも調子はよかったです。逃げる球系は全て投げました」。四回は外角いっぱいの直球で桜井を見逃し三振に仕留めるなど制球力も披露。五回2失点、六回1失点も相手が味方だったため内角を封印。初の実戦マウンドに収穫はあったようだ。
≪林、右翼定位置獲りへ実戦で好調維持≫
紅組の「5番・右翼」で出場した林が、3打数2安打で好調をキープ。
「コーチに言われている通りにやってよくなっているから、継続して自分のものにしたい。アピールしていくだけです」。二回に安藤から右中間二塁打を放つと、七回にも筒井から中堅左へクリーンヒット。「特に左投手から打ててよかった」と笑顔を見せた。実戦4試合で14打数8安打と大爆発。右翼の定位置獲りへ、ともに無安打の桜井、浅井の前で猛アピールした。
≪藤川俊が存在感!日々成長3の1≫
藤川が白組の「7番・左翼」で先発出場し、六回無死二塁で迎えた第3打席に久保から中前適時打。送りバントのサインにファウル後、バスターを決めた。「バントを失敗していたし、転がさないとと思った」。3打数1安打。試合後には、サブグランドで福本豊氏(野球評論家)から熱血指導されるシーンもあった。「盗塁のことをアドバイス頂きました」。日々成長している。
≪平野、開幕2番へ攻守にキラリ!≫
平野が攻守にキラリ。白組の「2番・二塁」で出場し、三回二死一塁のシーンで右前打。ランエンドヒットを成功させた。「一、三塁という場面を作っていくというのが今年のテーマ。(守備時も)逆に作らせないようにもしなければ、いけないからね」。二回無死二塁の守備でも中堅に抜けそうな当たりを逆シングルでキャッチ。開幕2番は濃厚でマートンとともに、チャンスメークする。
≪江草、狩野に被弾も後続ピシャリ!≫
白組の3番手で五回に登板した阪神・江草は、先頭の狩野に被弾したが、後続をピシャリ。
「真っすぐは思った通りいいボールを投げられたし、順調です。投げるからにはゼロに抑えたい。打たれたことは反省として明日につなげたい」と納得の表情。持ち味のテンポの早い投球を披露。浅井、田上からは連続三振を奪った。二死無走者からはセットポジションで首の動きも使い、走者を意識した投球も試した。
≪小宮山、生き残りへ攻守で存在感≫
2軍から昇格した小宮山が23日の紅白戦、攻守で存在感を示した。白組先発の安藤を3回無失点と好リードすると、五回には二盗を阻止。五回先頭の第2打席でも久保のカットボールをとらえ、右翼線二塁打を放った。
「踏み込んで、思いきり打ちました。いいところに飛びました。盗塁を刺した?(二塁)平野さんのカバーがよかったです」。現在、捕手は異例の5人体制。何としても1軍に残りたい。
≪育成D2田上、連続ミスに反省…≫
田上は紅組の「2番・中堅」に起用されたが、持ち味の守備と走塁で連続ミス。「悪いところが全部でてしまった。ノックでは練習できない打球が感じられて、勉強になりました」と反省した。
一回の守りでマートンの中前へのライナーの捕球判断を迷って後逸。六回無死二塁では藤川俊の中前打をファンブルして、強肩を見せることができなかった。特別ルールで代走出場の七回には牽制死。「プロは違います。注意してしっかりやりたい」と気を引き締めた。
≪新井、2試合連続安打で好調アピール≫
新井が白組の『4番・DH』で2試合目の紅白戦出場。四回無死。久保にカウント2-0と追い込まれながら、外角速球をきれいにとらえて鋭いライナーで中前打した。昨季の後半から取り組んでいる、下半身を落とした新打法。20日の紅白戦に続き、2試合連続安打で順調をアピールした。
≪ブラゼル、本番さながらヒートアップ≫
白組の『4番・一塁』で出場した阪神・ブラゼルは、2打数無安打の2三振。一回二死二塁で、カウント2-1から安藤の外角球に見逃し三振に倒れると、打席からバットを三塁ベンチ内へポーン。本番さながらに“ヒートアップ”した。猛打賞のマートンとは対照的な結果となったが、それでもフリー打撃では快音を連発して状態は問題なしだ。
≪オレを忘れるな!岩田が気合の丸刈り≫
岩田が23日、髪を短く刈って球場に現れた。前日までは後ろ髪が跳ねるほど長かったが、この日はほぼ丸刈り。隣接するグラウンドなどで、60mのキャッチボールにダッシュ、ノックなどを受け汗を流した。順調なら休日明けの25日にもブルペン入りする予定だ。
⇒狩野、しっかりしろよー
by,tora-neco
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by kuru2chanbei
| 2010-02-23 22:34
| 虎球団
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